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 (1)医学領域における「科学」としての中医学 (2)中西医結合への道―脾胃を例として― 
 (3)中西医結合への道 (4)ミシェル・フーコーやロラン・バルトが中医学を知っていたなら 
 (5)ロラン・バルトが期待していた徴候学(セミオロジー)とは中医学における病機(≒証候名) 相互リンク集 


中西医結合への道―脾胃を例として―

中医学に西洋医学を吸収合併すべし

●脾胃はすべての疾病と関連する

 「脾胃は中土に居す」と言われるように、五臓系統の中で最も中心的な部分である。ところで、小題の「脾胃はすべての疾病と関連する」との表現は、もちろん他蔵についても五臓間の整体関係から同様な表現が可能であることは言うまでもないが、脾胃系統については特に強調しておく必要がある。

 すべての疾病の基本構造は、「気血津精の昇降出入の異常と盈虚通滞」と言え、五臓の生理機能はいずれも気血津精の生化輸泄(生成・輸布・排泄)と関係がある。気血津精に過不足(太過や不及)が生じたときが病態であり、五臓間の相生・相克関係は、気血津精の生化輸泄に直接関与している。

 この疾病の基本構造にもとづいて考察すると、脾胃は中焦に位置して五臓の気機が昇降するための中軸であり、他のすべての臓腑と極めて緊密な関係があるので、脾胃に病変が発生すると他の臓腑に容易に波及し、他の臓腑に病変が生じると脾胃に容易に波及する。

 また、五臓六腑は機能活動を維持するために、精気血津液を基礎物質として必要としており、脾胃の納運する水穀精微は精気血津液を生成する基本的な源泉であるから、脾胃と精気血津液の摂納・生成・輸布・排泄とは密接な関係がある。それゆえ、脾胃に病変が発生すると他の臓腑に容易に波及し、他の臓腑に病変が生じると脾胃に容易に波及するのである。

●他臓の病変に脾胃の論治が必要な場合

 眩暈を主訴とする肝病に対して半夏百朮天麻湯が適応するとき、口内炎を主訴とする心病に対して半夏瀉心湯が適応するとき、浮腫を主訴とする腎病に対して分消湯や補気建中湯が適応するときなどがある。

 逆に、脾胃の疾病に他臓の論治が必要な場合は、嘔吐を主訴とする疾病に対して、腎系統の治療薬である五苓散が適応するときや肝胆系統の治療薬である小柴胡湯が適応するとき、下痢を主訴とする疾病に対して腎系統の治療薬である真武湯や五苓散が適応する時などがある。

続きは⇒ (3)中西医結合への道